8月325回例会のご案内

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※ 午後時間の開催です。
※ リモートと、会場での対面方式の発表になります。今回の会場はいつもと異なり渋谷区勤労福祉会館です

前半 演題と発表者 「宮沢賢治「心象スケッチ」成立までの文学史的意味―盛岡高等農林同窓生と岩手県の文学活動を踏まえて」 秋枝美保(あきえだ・みほ)氏
 現在発表者は、研究代表者として、科学研究費「作家の文学形成と「地方同学コミュニティ」の研究―井伏・高田と宮沢賢治の場合―」(2020年度~2024年度)と題する研究を遂行中であるが、本発表では、宮沢賢治の短歌を主たる資料として、短歌創作から「心象スケッチ」に至る短歌表現の変化について調査し、そこに表現方法についての賢治の模索の跡を指摘したい。それは、文学史においては、浪漫主義から、自然主義、さらに新たなリアリズムに移行する表現の変革期―北川透の表現では「言語革命」―に当たっている。
 本発表の主眼は、そういった全体的な状況と地方の文学の動向の関係の一端を、発表者のこれまでの調査を踏まえながら、新たに判明した盛岡高等農林の同窓生の文学活動を加えて、より具体的に明らかにすることである。盛岡高等農林時代の創作については、同人誌『アザリア』とその同人の研究が進んでいるが、本発表は、大正期の盛岡高等農林内の文学活動と岩手県内の文学活動との関係の一端を明らかにするものである。発表者がこれまで報告してきた同時代の岩手県内の短歌の動向を踏まえて、賢治の文学と文学史との関係を明らかにすることを目指す。
(福山大学 教授)※リモート方式による発表です。

 
後半 演題と発表者 〈心象スケッチ〉をめぐる雑考など 栗原 敦(くりはら・あつし)氏
〈心象スケッチ〉については、岩波茂雄あてや森惣一あて書簡、『春と修羅』序など、宮沢賢治自身による発言があり、なんとなく手がかりが与えられたように感じられますが、依然として漠たる所も残されています。『心象スケッチ 春と修羅』にも、著者自身が意図して配した手がかりが残されているとも感じられるのですが、今ひとつ、共通認識には至っていない感もあります。この機会に、副題付き作品、目次の日付(( ))作品とそれ以外の作品の違い、著者―話者―対象、叙述の人称(わたし・わたくし、と、おれ、おら、など)、といった、いくつかの観点に触れながら、今更と思われるかも知れませんが、「永訣の朝」が〈心象スケッチ〉一般ではないらしい理由についてなど、考えるところをお話ししたいと存じます。
(宮沢賢治学会イーハトーブセンター参与)※会場における対面方式の発表です。
 

■リモート例会のお申し込みについて/コロナ下における例会開催についての説明

ご案内「ホームページの障害発生に伴う対応など」(重要)
 2022年1月に、本ホームページに障害が発生した件について説明をしています。(補足説明・修正状況)

Posted by 外山正

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