2月322回例会のご案内

WordPress Data Table
※ 午後時間の開催です。
※ 第8波はピークは越えたと覚しき状況ですが油断は禁物です。今回は会場(氷川区民会館)の対面とリモートの組合せとなります。リモートの配信はあります。

前半 演題と発表者 『 恒藤博士の集中講義 』 栗原文子(くりはら・あやこ)氏
 日本における農学博士第1号といわれる恒藤規隆(つねとうのりたか1857-1938,ラサ工業創業,盛岡高等農林嘱託講師)は,賢治に「地質・土壌肥料学」を教えた一人であろう。恒藤は明治38年から昭和13年まで、盛岡高等農林において年に一回,一週間の集中講義を行っている。賢治はおそらく1年生であった大正4年からこの集中講義を受けていると考えられる。大正4年の学校事務日誌には「講師来校 恒藤講師は11月29日より12月4日迄講義担当せらりたり」と記されている。さらに賢治が2年生であった大正5年には,恒藤本人による講義ノートに,「大正5年12月28日 盛農エ(不明)ヲ施?す」とあり,学校事務室日誌には「恒藤講師は11月27日より1週間来校授業を担任せられたり」と記されている。その頃の恒藤はラサ島(沖の大東島)の燐鉱石採掘事業に取り組み,農業肥料過燐酸石灰製造を行って,大正5年は燐鉱石採掘量が11万トンに達している。肥料製造に情熱を傾ける恒藤による集中講義は賢治にとってかなりエキサイティングなものであったに違いないのである。
※会場での対面発表の予定です。

 
後半 演題と発表者 「ことば」で読み解く「注文の多い料理店」 竜口佐知子(たつぐち・さちこ)氏
 童話「注文の多い料理店」は、「ことば」を読み解くことの楽しさを教えてくれるテクストである。物語は、二人の「紳士」が「山猫」の仕掛けた「文字」=「ことば」を読み解くことによって進んでいく。同時に、「紳士」たち同士の会話の中、そして「語り」の中の「ことば」にも、様々な仕掛けが潜んでいる。読者は、その「ことば」を読み解くことによって、物語を味わっていくのである。
 また、テクスト内の「ことば」の意味は、他の「ことば」との関係によって決まるという点において、「ことば」は「関係」の問題と深く繋がっている。「山猫」や「紳士」たちの発する「ことば」は、常に互いの関係性と結びつくものとして読み解かれるものである。
 今回の発表では、「注文の多い料理店」のいくつかの「ことば」について、「関係」の問題に注目しつつ、あらためて分析を試みる。そのことによって、「注文の多い料理店」の読みの新たな可能性を探りたい。
 (福岡大学非常勤講師)※リモートによる発表です。

■web例会のお申し込みについて/コロナ下における例会開催についての説明

ご案内「ホームページの障害発生に伴う対応など」(重要)
 2022年1月に、本ホームページに障害が発生した件について説明をしています。(補足説明・修正状況)

Posted by 外山正

コメントを残す