| 例会時間割 | ||
| 開催日 | 令和7(2025)年12月6日(土) | |
| ※ 会場(渋谷区勤労福祉会館)を確保しています。また、リモート形式の配信も行います。リモート例会お問合せフォームより申込みいただいた方に招待状を送付します(下記の説明を参照願います)。 | ||
| 開始時間 | 内容 | 備考 |
| 13:00~ | 開場 | 渋谷区勤労福祉会館 、Zoomアカウント開始、案内等 |
| 13:30~ | 前半1時間程度 | 研究発表 森 義真氏 会場対面 |
| 14:30~ | 20分程度 | 質疑応答 |
| 14:50~ | 15分程度 | 休憩・案内 |
| 15:05~ | 後半1時間程度 | 研究発表 谷口義明氏 リモート |
| 16:05~ | 20分程度 | 質疑応答 |
| 16:45 | 終了、退出 | |
| ※特に参加費は必要ありませんが会員限定です。会員でない場合はどうしたらよいか? |
※ 前半は会場対面、後半はリモートの予定です。(リモート配信あり。)会場は渋谷区勤労福祉会館です。
※ 会場でご参加の方は、参加者名簿にご記入の上、整理費500円也をお納めください。
その二つの詩について読み解きを行うとともに、賢治没後における『文圃堂版全集』と『十字屋版全集』に向けた嘉藤治の取り組みを、このたび明らかになった『宮沢賢治の親友 藤原嘉藤治所蔵資料集』(瀬川正子編、NPOポラーノの広場・録繙堂出版、2024.10.19)に収載された資料などから、<賢治を世界に広げる基礎をつくった>嘉藤治の貢献についてクローズアップする。
この嘉藤治の貢献については、最近刊行された『宮沢賢治を創る人びと[改題増訂版]』(米村みゆき著、七月社、2025.4.22)の視野には入っておらず、「賢治を創る人」の一員としての嘉藤治の役割を再確認していただきたいと考えている。
(近代文学研究家)
※会場における対面による発表+リモート配信。
宮沢賢治の生年は1896年(明治29年)、そして没年は1933年(昭和8年)。わずか37年間の人生だった。しかし、そのわずかな期間で、賢治は膨大な数の短歌、詩、そして童話を書いた。そして、それらは令和の今でも、多くの人たちに読み継がれている。まさに国民的作家である。
賢治の特徴のひとつは、科学に造詣が深かったことである。鉱物、化学、物理学、そして天文学。かなり深いレベルで勉強し、その知識をうまく作品に取り込んでいる。そのため、科学者も賢治の作品に心惹かれている人が多い。天文学者が賢治に惹かれる理由のひとつは『銀河鉄道の夜』にあると言ってもよい。『銀河鉄道の夜』というタイトルだけから想像すると、天の川の中を銀河鉄道に乗って旅をする物語だと思いがちである。しかし、じつは、死出の旅路であり、童話というカテゴリーでシンプルに理解することは難しい物語といえる。この童話が書き始められたのは1924年頃とされている。今からざっと百年前のことだ。その時代に銀河鉄道という魅力ある言葉を生み出し、天の川を生き生きと描いて物語を紡いでいく。その賢治の力量には、まったく驚かされてしまう。しかし、賢治は思っているのではないだろうか。
「皆さんも、好きなように天の川の中を銀河鉄道で走ってみてください。」
つまり、賢治の『銀河鉄道の夜』に縛られる必要はないということである。そこで、また新たな銀河鉄道の旅を提案することにしたい。天の川銀河のハローを旅する物語である。『銀河鉄道の夜』を読むと少し不思議な表現に出くわす。それは「がらんとした桔梗いろのそら(桔梗色の空)」という言葉だ。星々が煌めく天の川の中で、なぜがらんとした空をみることになるのだろうか? そして、その色はなぜ桔梗色をしているのか。これらの問題を考えることで、ジョバンニたちは銀河の円盤からハローを見上げていたと推察した。
「はくちょう座」の北十字から「みなみじゅうじ座」の南十字に向かう。北側のハロー(がらんとした空)を旅する。一方、南側のハローを旅する。二人に、旅の途中、どんな美しい光景を見るのだろう。
はたして、どんな旅が待ち受けているのだろうか。それでは、出発だ!

※「北がらん経由」と「南がらん経由」の銀河鉄道の旅路(第4章参照)。左上の写真はJR釜石線の宮森橋梁を走る電車。写真は銀河鉄道の旅路の方向を考えて、左右反転して使用している。(撮影:畑英利)GAIA衛星による全天写真←リンク: (ESA/GAIA/DPAC)
(放送大学 特任教授/今年度宮沢賢治賞奨励賞受賞)
※リモート
