例会時間割 | ||
開催日 | 令和7(2025)年10月4日(土) | |
※ 会場(氷川区民会館)を確保しています。また、リモート形式の配信も行います。リモート例会お問合せフォームより申込みいただいた方に招待状を送付します(下記の説明を参照願います)。 | ||
回答者 栗原 敦氏、杉浦 静氏、進行 外山 正 | ||
開始時間 | 内容 | 備考 |
13:00~ | 開場 | 開場 氷川区民会館 、Zoomアカウント開始、案内等 |
13:30~ | 前半 | 1時間20分 |
14:50~ | 15分程度 | 休憩・案内 |
15:05~ | 後半 | 1時間20分 |
16:45 | 終了、退出 | |
※特に参加費は必要ありませんが会員限定です。会員でない場合はどうしたらよいか? |
※ 前後半共々会場対面の予定です。リモート配信はあります。会場は氷川区民会館です。
※ 会場でご参加の方は、参加者名簿にご記入の上、整理費500円也をお納めください。
◉テーマ 校本・新校本における今日的意義 ―知って置くべき校本・新校本の作法―
口上〈序〉
賢治生誕百年の一九九六年から二九年が経過しました(!)。と言うことは「新校本宮澤賢治全集」も刊行から来年で三十年になるわけです。先代の(旧)校本全集はシミも現れ、拙宅の蔵書の中でもかなりの古本になりました。全集と言う刊行形態は、作家の創作の現場に読者が肉薄出来る事を目指したものと理解しますが、一方で作家の小宇宙に対する読者の所有欲を満たす意味もあったと思います。これからさらに全集が更新され続けるのかと考えると、少なくとも今までの延長では進まないでしょう。ただ、これら半世紀に及ぶ時間の経過は受容史として新しい視点を得るに十分な長さでしょう。校本・新校本への認識について改めて今日的な吟味作業をしてみようと考えました。
この様な考え方に至るには、当会の「読書会」活動に大きな意味があると考えます。直近では「短歌百選」をまとめることが出来ましたし、校本に対する「リテラシー」も個人を超えて組織としての会がそれなりに獲得して来た実感があります。とはいえ、あまり良く理解しないままになっている部分も少なくないでしょう。校本から始まって経過した半世紀の時間は、全集編集作業が「物語」に変わる時間でもあります。(宮沢清六氏プロデュースの「〈文学史に燦然と輝く〉校本時代」半世紀の次に控える時代の理想も考える必要があるでしょう。)
回答者に新校本の編集者であった栗原敦、杉浦静の両氏をお迎えし、いくつか用意したエピソード(意味としては「章」程度です)を枠組みに据え、ホームページ経由で事前に募集した質問を中心に、質疑応答で全体を構成しようと考えています。知っているようで実は知らない校本、新校本の秘密に「改めて」迫ろうと言うものです。
賢治生誕百年の一九九六年から二九年が経過しました(!)。と言うことは「新校本宮澤賢治全集」も刊行から来年で三十年になるわけです。先代の(旧)校本全集はシミも現れ、拙宅の蔵書の中でもかなりの古本になりました。全集と言う刊行形態は、作家の創作の現場に読者が肉薄出来る事を目指したものと理解しますが、一方で作家の小宇宙に対する読者の所有欲を満たす意味もあったと思います。これからさらに全集が更新され続けるのかと考えると、少なくとも今までの延長では進まないでしょう。ただ、これら半世紀に及ぶ時間の経過は受容史として新しい視点を得るに十分な長さでしょう。校本・新校本への認識について改めて今日的な吟味作業をしてみようと考えました。
この様な考え方に至るには、当会の「読書会」活動に大きな意味があると考えます。直近では「短歌百選」をまとめることが出来ましたし、校本に対する「リテラシー」も個人を超えて組織としての会がそれなりに獲得して来た実感があります。とはいえ、あまり良く理解しないままになっている部分も少なくないでしょう。校本から始まって経過した半世紀の時間は、全集編集作業が「物語」に変わる時間でもあります。(宮沢清六氏プロデュースの「〈文学史に燦然と輝く〉校本時代」半世紀の次に控える時代の理想も考える必要があるでしょう。)
回答者に新校本の編集者であった栗原敦、杉浦静の両氏をお迎えし、いくつか用意したエピソード(意味としては「章」程度です)を枠組みに据え、ホームページ経由で事前に募集した質問を中心に、質疑応答で全体を構成しようと考えています。知っているようで実は知らない校本、新校本の秘密に「改めて」迫ろうと言うものです。
◉エピソード1 物語「花巻スタンドバーの夜」
・「討議『銀河鉄道の夜』とは何か」(元来はユリイカ)をきっかけに、宮沢清六氏から依頼を受けて作業に入るまでの経過が物語として語られているもののおさらい。
◉エピソード2 校異の読み下しは可能か
・我々は読書会で、当然の様に校異を読み下しています(それは、漢文にレ点を付けて読む方法に似ますが、そのことはどう評価できるのでしょう)。しかし、そもそも校異は読み下しを想定して作られたものではありません。けれども読み下し無しに読書会は成立しません。理想的な読み下し方法はあるのでしょうか?
◉エピソード3 「凡例」「校異凡例」精読(テキストとして再読。主筆はどなた?)
・たとえば、新校本時の「凡例」や「校異凡例」が決まる時の経緯など、知る事が出来れば。
◉エピソード4 「本文校訂」のロジックの理解及び各全集により異なる編集方針
・全集間の差異 校本以降でも、新修版、文庫版、新校本、コレクションとそれぞれの編集方針が説明されています。
◉エピソード5 あらためて……「永久の未完成これ完成なり」と言うのはどう言うことか?
・あるいは、「推敲の現状を以てその時々の定稿となす」と言うのは、何にどの様な価値があるのでしょうか。
◉エピソード6 賢治は何処から来て何処へ行くか
・過去を振り返れば歴史ですが、将来へは展望を持つ必要があるでしょう。
・翻訳とIntelligence 電子化、データ化を経て現在はAIがとりざたされています。AIはArtificial Intelligence であり、差し当たって人工知能と訳されます。今後電子化、データ化の先は否応なしにAI等との関係性が取り沙汰されるでしょう。また、世界に「受容」されるには翻訳も必要です。次の二十年、またその先の二十年の展望は描けるのでしょうか。
・翻訳とIntelligence 電子化、データ化を経て現在はAIがとりざたされています。AIはArtificial Intelligence であり、差し当たって人工知能と訳されます。今後電子化、データ化の先は否応なしにAI等との関係性が取り沙汰されるでしょう。また、世界に「受容」されるには翻訳も必要です。次の二十年、またその先の二十年の展望は描けるのでしょうか。
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